Sonas blog

東大発IoTスタートアップ・ソナスのブログです。会社紹介や創業者・社員インタビューなどを通してソナスがどんな会社かをお伝えします。

海外進出に向け早期に国内事業を確立する~約4.5億円の資金調達を経て一段上の事業ステージへ・CEO 大原インタビュー~

弊社ウェブサイト等でもお知らせしている通り、この度東大IPC様とJR東日本スタートアップ様、ANRI様への第三者割当増資や金融機関からの融資により、約4.5億円の資金調達を行いました。

そこで、今回のブログでは代表 大原に今回の資金調達に至った経緯や過程での苦労、これからの目標などについてインタビューを実施しました。

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交渉過程ではバリュエーションに悩みながらも、結果的に納得のいく資金調達ができた

-まずは、今回このタイミングで資金調達を実施した理由を教えていただけますか?

実は、昨年立てた中長期経営計画では次の資金調達は来期、つまり今年の10月以降に実施と考えていました。ですが、無線振動計測システムがプロダクト・マーケット・フィット(PMF)したという手応えを掴めたこのタイミングで人員を増やしてビジネスの展開を加速したいと考えたこと、無線モジュールの販売を開始するタイミングに合わせて広告宣伝含めマーケティングに投資していきたいと考えたことから、資金調達に向けて動き出すことになりました。

-引受先として、フォローとなるANRIのほか、新たに東大IPCとJR東日本スタートアップが入り、IPCがリード投資家となりましたが、ここに至るまでの経緯はどのようなものでしたか?

スタートアップ経営においてはVCとの相性がとても大切なので、まずはどのVCと組めばソナスにとってメリットがあるかを考えた上で動きました。

東大IPCとは、創業間もないころに彼らの1stRoundという起業支援プログラムに採択されて支援を受けて以来のお付き合いですが、当時から我々にフィットするVCだと思っていました。というのは、次のラウンド以降もしっかりフォローするファンドのスタンスを魅力に感じていたからです。また、彼らと付き合いのある大企業には我々と親和性が高い会社が多くマッチングにも期待できます。前回の調達時は双方の状況が合わなかったのですが、彼らとしても東大発の海外にも通用する技術ということで継続して我々をウォッチしてくれていて今回投資していただくことになりました。偶然なのですが、先方の担当者が僕のソニー時代の同期になったこともスムーズに話が進んだ要因だと思います。

JR東日本スタートアップはCVCなので、投資先とJR東日本グループとのシナジーが重要です。昨年、同社のスタートアッププログラムに採択されて実証実験が順調に進んだことから投資していただくことになったんですが、正に鉄道の保守管理や建設現場のレガシーシステムからの脱却を必要としていた彼らの問題意識に我々のプロダクトがはまった例だと思います。前述のスタートアッププログラムは業界で有名なプログラムですが、歴代の採択企業を見ても本丸の鉄道事業に踏み込んでいるスタートアップは数少ないですし、上手くいけば非常に大きなマーケットを開拓できる分野なので、今回の投資には大きな期待を寄せていただいていると感じています。

ANRIにはシードから投資していただき、創業間もないころは彼らのインキュベーション施設にオフィスを構えていたほどの長くて深いお付き合いです。彼らはシードをメインに投資していますが、積極的にフォローも行っていて、今回も投資していただくことになりました。

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-交渉過程では大変なこともありましたか?

今回は、バリュエーションをいくらにするかというところで非常に悩みました。スタートアップの資金調達では、我々と投資家側とでバリュエーションを決めていきます。当初は少し高いバリュエーションを考えていたのですが、実際には次のラウンドを見越して高く見積りすぎないようにするとか、既存投資家と新規投資家双方に納得してもらうためのバランスなど、考えるべき様々なことがあり、悩みました。今まで作ってきた以上に精緻な事業計画を立てながら結論を出す作業には時間も頭も使いました。

最終的には、この先の世の中の経済状況や事業の進度などに応じて複数パターンのシナリオを作り、どのパターンになっても全ての株主に損をさせないという金額を導き出して提示しました。既存の株主が我々の考え方を尊重して納得してくれたことと、新規投資家であり今回リードのIPCの担当者が、先ほどお話した通り旧知の仲でお互いの真意を腹を割って話せたことは有難かったですね。おかげで結果的に納得のいく資金調達ができました。

UNISONetは世界で使われるべき無線技術

-今回調達した資金は、製品開発や事業開発、マーケティングの強化に充てるということですが、具体的にはどんな計画でしょうか?

まずは、売上の柱となっている無線計測事業を早期に収益化させるための投資に使っていきます。具体的には人件費ですね。今はインフラやビルのモニタリングがメインのアプリケーションですが、このプロダクトのポテンシャルならそれ以外にも競争力のあるアプリケーションを生み出せると思っています。ゆくゆくは年間売上数億以上のアプリケーションを複数育てていきます。また、そこまでの規模ではなくても、UNISONetの特長を活かしてソリューションカットした小規模の製品、例えば建設現場などで保安員の安全見守りなどの製品の開発にもどんどん取り組んでいきたい。今の人員でそこまで手を広げるのは難しいので、エンジニアや事業開発、営業を採用して拡大させていきたいと思っています。

無線事業の方は、無線モジュールをリリースしてこれからまさにマーケティングに注力すべき時期です。電機・電子業界などの無線に関連する企業の中で「UNISONetといえば省電力マルチホップ無線だよね」という認知が早く得られるようアライアンス活動や広告宣伝に投資していきたいと思っています。業界団体とのお付き合いなんかもどんどん増えてくるでしょうね。

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2021年4月2日オンライン全社ミーティング

-会社全体としてはどのようにしていきたいですか?

事業面でいうと、3年後にUNISONetの年産10万個という数字を達成して海外進出していきたいですね。実際、世界で使われるべきポテンシャルのある技術だと信じていますし、鉄道インフラの維持管理や建設現場のIoT化のように、今まで無線がネックとなってIoT化が実現できずにいた領域は世界中にあると思うので、そういうところにどんどん入っていって「世界で最も信頼されるワイヤレスソリューションを確立し、IoTを実践する人々に喜びや驚きをもたらすとともに、あらゆる産業がIoTの恩恵を享受できる社会を実現する」というミッションを具現化させていきたいと思っています。お客様や投資家にも同じように言っていただいているので、早期に実現させたいですね。

カルチャー面では、人がコロコロ入れ替わるのは難しい事業だと思っているので、これまでと同じように社員に居心地のよさを感じてもらって定着して働いてもらいたいと思っています。創業メンバーはじめ初期からいるメンバーの性格からかなと思うんですが、うちに入ってくる人って穏やかな人が多いんですよね。これまでと同じように、そういう優しい穏やかな雰囲気を維持していきたいですね。

また、組織として変化に強い柔軟性を持つことの重要性はコロナ禍を経て強く感じました。1年単位と言わず、数カ月単位で組織の在り方やルールなど柔軟に変えていけるように、会社から社員への説明頻度を上げて、常日頃から積極的に情報発信していきたいと思っています。

UNISONet本格普及に向けての中心を担う~無線事業部が描く戦略とは~

ソナス創業当初から計画していた念願のUNISONet無線モジュールが2月にサンプル提供開始となりました。

※無線モジュールとは…無線通信に必要な諸機能をモジュール化した電子部品。無線モジュールを機器に組み込めば、コマンド操作によって容易に無線通信を実現できる。 無線機器開発をする際に無線の回路やソフトウェアを自社で設計しなくてよくなるほか、技適などの認証作業が不要になるため開発の工数を削減できる。

そこで、今回は無線モジュールの担当部門である無線事業部を直接担当しているCEO大原さんにインタビューを実施。事業部の役割や開発の苦労、今後の戦略などを伺いました。

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汎用化とコマンド整理に苦労したモジュール開発
今後は機能を増やし、ユースケースを作っていきたい

-まず最初に、無線事業部がソナスの中で果たす役割について教えていただけますか。

無線事業部は、UNISONet自体でビジネスをし、無線規格として普及させる役割を担っています。ソナスは「UNISONetをIoT無線のグローバルスタンダードにする」という目標を掲げていますから、これを実現する上で非常に重要な役割といえます。

業務としては、無線モジュールの要件定義からマーケティング・販売まで開発以外の全てを担当しています。今は4月の量産開始に向けた準備やドキュメント類の整備、ユーザーからのフィードバックの反映や、協業いただけるパートナー企業との交渉などに注力しています。

-その無線モジュールですが、開発中は社内で直接関わりはない立場から見ても大変そうでした。その辺りのお話をお聞かせください。

無線モジュール化にあたっては、機能やコマンドの整理にとても時間がかかりました。 東大時代から構造物の振動モニタリングをアプリケーションとしてきた経緯から、これまでのUNISONetは計測向けの機能を詰め込んでいましたが、無線モジュールとなると様々な用途に対応できるよう汎用化しなければいけない。そのための整理が必要でした。また、それまでは自分たちが欲しいと思った機能を独自のコマンドで一つずつ実装してきたので、無線モジュールとしての役割とアプリケーションプロセッサとしての役割に分けてインターフェイスを切り、コマンドを整理し直すのもかなり大変でしたね。

手こずっていた時に、VPoEの森田さんががっつり入ってインターフェイスの切り分けやコマンドの整理をしてくれてからは軌道に乗りました。

-サンプル提供を開始して、現在のところの反応はどうですか。

上々の反応をいただいていますが、今は無線に詳しく技術力もある方が興味を持ってくださっている段階です。4月の量産開始時には、ゲートウェイクラウド、SIなどの機能も一体として提供し、PoC向けのシステムを簡単に組めるという体制にして、もっと導入の敷居を下げられるようにします。

他には、マーケティングの観点でも、ターゲットとなるユーザーにユースケースを踏まえてアピールしていかないといけないと思っています。今は売るにあたって「省電力」とか「時刻同期」といったUNISONetの特徴を謳うに留まっていますが、例えば工場の機器の位置管理に使えるとか、そういった「実際何に使えるの?」という質問に答えるレベルに落とし込んでいかないとと思っています。

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2.4GHzと920MHzの2パターンに加え、試作開発に使いやすい開発ボードやブレイクアウトボードも用意している。

技術をオープンにしてUNISONetエコシステムを作り、規格として育てていく

-中長期的な戦略はどう描いているのでしょうか?

新しい無線を広めていくには、クローズ戦略とオープン戦略の2つの戦略があります。前者は自分たちだけで技術を囲って価格も下げずに提供していく方法で、沖電気さんのSmartHopがこの方法を取っています。後者は、技術をある程度オープンにし、パートナー企業とアライアンスを組んで普及させていく方法です。LPWAのLoRaなどがこの方法を取っています。

一スタートアップであるソナスが単独で訴求するよりも、パートナー企業と協力していくことがより広く普及していくことにつながると思っているので、ある程度オープンな戦略を取る予定です。

-なるほど。パートナ―企業との交渉も始めているようですが、アライアンスの立ち上げはいつ頃の予定ですか?

UNISONetアライアンスについては5月頃の発足を予定しています。アライアンスでやりたいことは大きく2つあって、一つがニーズとシーズのマッチングです。センサメーカーのようなシーズ側とSIerのようなニーズ側が一同に会するアライアンス会議に各社が事例や技術を持ち寄り、それらをマッチングしてUNISONetエコシステムを作っていくというものです。これが機能するようになると、パートナー企業がアライアンスに参加する動機にもなります。

もう一つは、みんなでUNISONet自体をよりよい規格に育てていくことです。UNISONetの技術そのものの方向性について話し合ったり、うちからパートナーに対して開発のアップデートなどを知らせていく場を作っていきたいと思います。こうした場でパートナー企業を募り、3~4年後には海外に進出していきたいですね。

マーケティング、特にアライアンス活動はやりがいのある仕事になるはず

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-3~4年後に海外進出という他に、数字的な目標は何かありますか?

無線規格で日本国内で一定の存在感を出せるラインが年産10万台と考えています。今から3.5年の間にこの数字は達成したいですね。これからの3.5年がUNISONet単体でも使ってもらえるかを見極めていく時間になると思っています。

-その目標に向かっていく上で課題は何かありますか?

モジュールを市場に出したはいいですが、マーケティング面が課題ですね。そこを任せられる人を採用して強化していきたいと思っています。

お任せしたいのは、一つは単純に販売のためのマーケティング。オンラインとオフライン両面でお客様の目に留まるところにUNISONetを届けていく役割になります。BtoB商材、できればBtoBtoBという商流になるモジュール製品のマーケティング経験者にきてもらえると嬉しいですね。

もう一つはアライアンス活動です。これは上手くいけば世界的なアライアンスの責任者になるわけで、僕個人としてもやれるものならやりたいぐらいです(笑)。すごくやりがいがあって面白い仕事だと思います。

               □ □ □

無線のモジュールやアライアンスというなかなかイメージしにくい事業のせいか、マーケティング担当者の採用活動は苦戦しているとのこと。

サンプル提供を開始したばかりで量産開始を控えた今、BtoBマーケターとしてとてもやりがいのあるフェーズで働けるタイミングです。

ご興味のある方は、まずはカジュアルにお問合せください!

ソナスの無線計測システムの主要アプリケーション     【後編】機械の状態監視

前回は、ソナスの無線計測システムの主要アプリケーションとして、土木建築業界における構造物モニタリングについて解説しました(記事はこちら)。

後編の今回は製造業における"機械の状態監視"について、ゼロから分かる解説を書いていきたいと思います。

1. 製造業のIoT化とは

製造業のIoT化とは具体的にどんなこと?

製造業のIoT化は、製造ラインの機械やロボットにセンサなどを取り付け、データをリアルタイム収集することによって生産性を上げることを目的としています。具体的には、遠隔で稼働状況や操作を監視することで省人化を、稼働状況を見える化することで製造工程の効率化を、機械の状態を監視することで異常や故障の予兆の検知を可能にするといった具合です。他にも、品質管理の効率化や、データを用いた技術ノウハウの継承など、製造業IoTのメリットは多岐に渡ります。

日本の製造業IoTの現状

経済産業省の2020年版ものづくり白書によると、生産プロセスに関し稼働状況等のデータを収集しているという企業は約50%程度に留まっており、この割合はここ数年進展していないのが現状です。一方で、今後については多くの企業が「計画がある」「取り組みたい」と回答してしていますが、コロナの影響による設備投資鈍化やデジタル人材の不足という課題を抱えています。

時代の変化に対応する変革力の弱さや生産性の低さによって日本の製造業はかつての国際競争力を失っていますが、それを克服するにはIoTの活用が急務となっています。

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出典:2020年版ものづくり白書

2. 機械の状態監視

老朽化した機械の増加とメンテナンス

日本の工場の機械は老朽化が進んでおり、更新も容易ではないというのが製造業の課題の一つとなっています。2020年版ものづくり白書では、導入から15年以上経過した機械装置が全体の50~80%近くに達しているとのレポートが掲載されていますが、上述の通り設備投資の動きは鈍っているため、既存の機械を長期運用するための適切なメンテナンスが必要とされています。

従来は、年1回などの定期的な点検が行われてきましたが、IoTの発達により、機械の状態を監視することで必要な対策を必要なタイミングで打つことが可能になってきました。これにより、定期点検の保守人員不足の解消や、適正時期に保守対応することによる機械の長寿命化が可能になるとされています。

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生産設備導入からの経過年数(出典:2020年版ものづくり白書)

状態監視の手法と振動検知の有効性

では、機械の状態監視とはどのように行うのでしょうか?国際標準化機構は、温度・振動・騒音をモーターやポンプ、ファンなど幅広い機械設備に対して有用な診断項目としています。センサによりこれらの値を常時モニタリングすることで、本格的なトラブルの前の異常値が出た段階で保守対応ができ、故障による損失を低減することが可能になるのです。

3. ソナスの無線振動計測システムと状態監視

機械の状態監視に求められる無線とは

構造物モニタリング同様、機械設備の状態監視も有線のシステムで実施する方法が主流でしたが、やはり設置時には配線の手間やコストがかかるため無線の簡便さが求められています。また、機械の更新が容易ではないという観点からは、既存の機器に導入可能な必要があります。その点、無線計測システムはセンサデバイスを置くだけで簡単に導入できる点が強みとなります。

無線のスペックとしては、広い敷地をカバーする通信距離、電波干渉や障害物の多い工場内でも途切れない安定性、加速度や電流、時には画像などのデータも送れるスループット、広範囲に設置された機械を一元管理するためのネットワーク内の収容力などが求められます。

ソナスの無線振動計測システム導入のメリット

ソナスの独自開発無線UNISONetは、マルチホップというバケツリレー式のネットワークにより通信距離を担保し、同時送信フラッディングという革新的な転送方式で安定性を確保画像も送れるスループット100台以上を1ネットワークに収容可能といった特徴を持っており、機械の状態監視の要求を満たしています。また、無線部分だけでなくセンサについても高精度3軸加速度センサを搭載しており、微細な振動の異常も見落としません。  

導入当初は数台でスモールスタートし、その後、横展開することになった場合にも、簡単な設置と設定だけでセンサユニットの追加が可能な点もメリットです。

その他のセンサラインナップや今後の展望

機械の状態監視では、モニタリング対象となる機械・装置によって測定項目が異なります。そこで、ソナスでは振動のほか、電流センサや照度センサ、接点モジュールや4-20mAモジュールにも対応しています。 今後も対応センサを増やし、無線品質やUXの向上を図りながら、工場内のあらゆる機械を守るシステムとして信頼を高めていきたいと考えています。

            

ソナスの無線計測システムの主要アプリケーション    【前編】構造物モニタリング

前回は、ソナスの展開する3事業のうち柱となっている無線計測事業の概要や今後についてお伝えしました。

今回は、そのソナスの無線計測の主要な2つのアプリケーション ”構造物モニタリング” と ”機械設備の状態監視” の概要や、両アプリケーションにおけるソナスの無線計測システムの有用性について、もう少し詳しく解説します。

前編の今回は、橋梁や建物の構造物モニタリングとソナスの無線振動計測システムについて、”専門外の方にも分かりやすく"を意識して広報担当が書いていきます。

1. そもそも構造物モニタリングってなに?

建設分野の課題とその解決策としての構造物モニタリング

 構造物モニタリングとは、橋梁やトンネル、建築物などの構造物をセンサなどによってマクロ的に監視することで、得られたデータからその状態を評価し維持管理に役立てることを目的としています。

 現在、高度経済成長期に造られたものが多い日本の橋梁やトンネルなどの社会インフラは老朽化が進み、維持管理の手間やコストが増大する一方で、土木従事者やメンテナンスの技術者は減少、更に自治体の予算不足などもあり、適切な維持管理が社会課題となっています。

 そのため、そうした課題の解決策の一つとしてICTの導入が進んでおり、その一環でIoT技術を活用した構造物モニタリングの需要も高まっているのです。

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出典:いずれも国土交通白書2020

構造物モニタリングの手法の一つ、振動モニタリング

 構造物モニタリングの測定項目には変位(ものの位置の変化のこと)や振動、画像など様々な項目があります。評価には総合的な判断が必要ですから、その中の幾つかを組み合わせたり、人による点検に一部を取り入れたりしながら行われます。

 そのような様々な測定項目のうち、振動をはじめとして複数の項目を一度に計測できるのが加速度センサです。加速度とは単位時間当たりの速度のことで、これを計測することで、振動だけでなく変位や傾斜なども見ることができます。

 老朽化などによりダメージを受けている構造物に加速度センサを設置し計測することで剛性の低減度合いを確認できるため、構造物モニタリングの重要な測定方法の一つとなっています。

2. 橋梁の構造物モニタリングと建物の構造物モニタリング

橋梁の構造物モニタリング

 橋梁の検査は、定期的な目視点検によって行われてきましたが、前述の通り老朽化や技術者不足により、技術を活用して効率化を図る必要性が高まっています。

 一口に橋といっても、コンクリート橋か鋼橋か、新設か既設かなどによりモニタリング方法は異なりますが、維持管理が問題となっている既設橋梁については、コンクリート橋でも鋼橋でも振動が最も多く用いられる指標となっています。そしてその測定結果は、老朽化の進展度合いの把握材料となるだけでなく、地震の際の安全性評価や、設計通り施工できるているかどうかの確認などにも活用されます。

建物の構造物モニタリング

 地震大国日本では、地震による建物の被災度合いを迅速に判定できるような仕組みが大変重要です。現在は応急危険度判定士がその役割を担っていますが、広域被災の場合には迅速な対応が難しいのが実情です。そのため、災害時に素早く状況を把握できる、IoTを活用したモニタリングの重要性が高まっています

 建物の振動モニタリングのうち、地震などの外力を受けたことによる建物の状態判断のために行われるのが「応答モニタリング」です。クラウドによって遠隔での管理ができれば、大災害などの際にも速やかに安全性の判断をすることが可能になります。一方、平時に建物の特徴を把握することで地震前後の変化や経年劣化を評価するために行うモニタリングを「特性モニタリング」といいます。

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3. ソナスの無線振動計測システムと構造物モニタリング

これまでの構造物モニタリング

 ここまで書いてきた構造物モニタリングを実施する場合、従来は有線で行うのが主流でした。大きな構造物を評価するには複数地点でのデータが必要ですから、有線でやるということは複数のセンサデバイスを全てケーブルで繋がないといけないということになります。その設置のための手間やコストが、IoTを活用した構造物モニタリングの普及を阻んできました。

ソナスの無線振動計測システム導入のメリット

 そこで、無線が求められるわけですが、従来の無線では加速度のような(温度や湿度のような単一のデータと比較すると)大きなデータを長距離通信するにはスペックが足りないという問題がありました。ソナス独自開発の無線規格UNISONetは、全く新しい転送方式を採用することで省電力性、通信距離、時刻同期やスループットなど構造物の振動計測への要求をクリアしています。これにより、十分なスペックと設置の簡便さが両立できるようになったのです。

今後の展望

 ソナスの無線振動計測システムは、大手ゼネコンや土木系研究機関などで活用されており、設置例を増やしています。様々な現場に使われるようになるにつれ、「もっとこうしてほしい」「こういう機能があるといい」などのフィードバックも多くいただくようになっています。これらの声に応え、益々多様な現場で利用いただける製品になるよう、今後も継続して無線のスペックやUX向上のため、機能を拡充・改良してまいります。

           □ □ □

後編となる ”機械の状態監視" については近日公開予定です。

無線であらゆるものをセンシング・計測できるプラットフォームを目指して~ソナスの無線計測事業の現在地とこれから~

ソナスは、現在社内の事業を大きく「無線計測事業」「無線事業」「DX」の3つに分けて推進しています。

今回は、その中でも現在主力製品となっている「無線振動計測システム」を扱う「無線計測事業」について詳しくご紹介します。

この事業名、時々誤解を生むのが、無線計測するのではなく無線計測するシステム、というところ。 無線計測事業の中心人物・神野へのインタビューで、そんな誤解が生じない事業の詳細説明や最終的な目標、そこに向かう上で今考えていることなどを聞きました。

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UNISONetの特徴を活かし、幅広い業界で使われるシステムになるよう製品ラインナップを拡充中

-まず、無線計測事業の事業内容を教えてください。

はい。この事業部では、ソナスのコア技術である無線規格UNISONetの無線モジュールと既製のセンサを組み合わせたセンサデバイス、それに付随して設定や計測状況を確認するためのWindowsソフト、遠隔からモニタリングするためのクラウドまでを含めた無線計測システムを扱っていて、戦略の立案から製品企画や要件定義、販売、設置、アフターサポートなど開発以外の全てを5名のメンバーで行っています。

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無線計測システム構成図

-UNISONetとセンサを組み合わせたデバイスということですが、具体的にはどんな製品でどのように使われているのでしょうか?

今主力となっているのが加速度センサを組み合わせた振動計測システムです。対応する加速度センサの種類が用途によって複数あるんですが、建物の常時微動のような微細な振動もセンシングできる高精度センサに対応したモデルがいちばんの売れ筋です。計測精度やUNISONetの通信性能の高さから、橋梁などの社会インフラやビルなどの建築物といった構造物の振動モニタリングに多数採用いただき、評価していただいていますね。お客様としては、ゼネコンや大学などの土木建築系研究機関が多いですが、最近は設計会社や建設コンサルタントなどといったお客様も増えてきています。

加速度センサのラインナップとしては他に、大きな振動も計測でき、鉄道や航空機などの重工系に向くモデルもありますが、今後更に対応センサを増やしていく予定です。具体的には、云わばハイエンドモデルである現在の構造モニタリング向けに対し、少し精度を落としつつ価格を抑えたエントリーモデルや、製造業での設備機器向けの、既存モデルより更に高周波振動計測に対応したモデルなどを予定しています。

また、機械の稼働監視向けに電流センサパトライトなどの光をセンシングする照度センサ、また歪センサにも対応しており、こうした加速度センサ以外のセンサについても今後ラインナップを増やしていく予定です。

-センサラインナップの拡充によって、現在メインの顧客となっている土木建築系の企業や機関から、他業界へと顧客の幅を広げていく戦略ということですね。

はい、その通りです。もともとソナスは、東大でCTOの鈴木が研究していたUNISONetを事業化するにあたり、最初のアプリケーションとして橋梁の構造モニタリングに取り組んできました。UNISONetの安定性やロスレスな信頼性、時刻同期機能などの特徴が構造モニタリングの要件に合致していたためです。それ以来、着実にこの分野で実績を積み上げてきていますが、UNISONetは構造モニタリングに限らず様々な領域で活用できる無線ですし、スタートアップとしては急速な成長も求められますから、ラインナップを拡充してターゲットとする業界を広げているところです。

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「無線計測」という新たなカテゴリを確立し、デファクトスタンダードになりたい

-ターゲットを広げて、様々なセンシングができるシステムにするという先には、事業としてどういう目標を描いているのでしょうか。

最終的にはソナスのシステムを無線計測のデファクトスタンダードにしたいと思っています。自社ブランドとしてのセンサデバイスの提供を続けながらも、それとは別に、あらゆるメーカーのモニタリングシステムとしてうちの技術が組み込まれているとか、各種機器に内蔵されて様々なものを計測している状態、そしてそれによって日本の製造業や人手不足の業界の課題解決に貢献できるというところを目指しています。10年後くらいにはそうなっていたいと思っています。

-その目標を100とすると、現在はどれくらいのところに来ていると思いますか?

まだ10くらいですね。 昨期は大型案件が増え、1件あたりの単価も上がり、着実に事業が伸びていることを実感できましたし、定性的にも、おかげさまで土木建築業界の中での認知が高まってきたことで既存のお客様の紹介で新規案件を獲得できることが増えてきたり、導入いただいたお客様からアフターサービスなど無線以外のところへの評価をいただいたりと手応えは感じています。

ただその一方で、次のフェーズに行くには販売代理店やパートナー企業を増やしての拡販体制の構築や、安定して大量の発注にも対応できる量産体制の構築に課題があると感じているので、今はそうした体制構築に注力しています。そこを乗り越えたら、最終目標に一歩近づけるかなと思いますね。それでも目標が大きいのでまだまだではありますが。 あとは、製品の企画から開発・製造・販売・設置やアフターサポートまでの全てを社内でやっていて事業部メンバーは手一杯なので人手を増やしたいですね。

-事業を統括するマネージャーも募集していますよね。

そうですね。現状、指数関数的に事業を成長させた経験のあるメンバーがいないというのがあります。 そもそも、さっきから無線計測のデファクトスタンダードを目指すと言っていますが、様々な業界を横断して「無線計測」で括るというカテゴリ自体が存在していませんし、それを確立しながらシェアを取っていくのは新しい挑戦だと思っています。 そんな中で、メンバーそれぞれ無線だったり建設系だったり製造業系だったりとバックグラウンドに裏打ちされた強みを持っていますが、ビジネスとして一つの事業をマネジメントした経験者はいないので、そうした知見や経験を持ち、リーダーシップを発揮してくれる人材を迎えて成長を加速させたいと考えています。

               □ □ □

次回は、主力の無線振動計測システムの用途として実績の多い構造モニタリングと、最近事例や引き合いが増えてきている製造業での活用方法について深掘りする予定です。

【社員インタビュー】技術は手段にすぎない。それを提供することで顧客が感じてくれる価値を重視したい

こんにちは。ブログ担当の武田です。

今回は、社員インタビュー第2弾としてVPoE 森田へのインタビューをお届けします。

エンジニアとして、マネージャーとして大企業とスタートアップ双方での豊富な経験を持ち合わせた森田が約一年前にソナスに入社した理由や、VPoEとしてどのように開発組織をマネージしているのかについて尋ねました。

ぜひご一読ください。

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最初の面接から自社の抱える課題を隠さず話してくれたことが印象的だった

ーまずはこれまでのキャリアについて教えてください。

学生時代は無線通信系の研究室でアンテナの制御アルゴリズムの研究をしていました。その関係で新卒では通信機器メーカーに入社して、通信機器ハードウェア設計や制御ソフトウェア設計のエンジニアをしていました。その会社は開発業務に限らず企画から製造まで全てを任せてもらえる環境だったので、日本のものづくり産業の一連の知識経験を得られたことは今でも大きな糧となっていると思います。

一方で、企画マーケティングなどビジネスを生み出すプロセスとそのために必要な技術開発の橋渡しをする役割に興味が強まり、セイコーエプソンの研究開発職に転職しました。ここでは将来の収益の柱となる事業を立ち上げるということがミッションで、主に技術面から戦略を描きつつ、具体的な要素技術の研究開発に取り組みました。いくつかの失敗もありつつ、最終的には一つの事業を立ち上げることができことがいちばん思い出深いですね。

この経験を通して、何もないところから事業を立ち上げることの楽しさをを知り、ベンチャー志向が醸成されたかなと思います。 そこで、よりスピード感があり裁量範囲の広い環境を求めてスタートアップに転職。2社経験して3社目がソナスになります。

ーソナスを志望した理由はなんですか?

ソナスの前の2社では立ち上げ初期に入って50人規模になるフェーズまで関わってきました。なので、今のソナスのステージにおいては知見や経験を持っているし、何よりこの段階のカオスな状況が好きですね。

そういう意味で興味を惹かれたというのがまずあって、あとはやっぱり尖ったコア技術を持っていて、更にそれを使って組み上げた製品やソリューションを自社で作っている点が技術者視点で見たときに興味深かったですね。

ー転職活動をする中で、他の有力スタートアップからもオファーを受けていたと聞きましたが、最終的な決断ポイントは何でしたか?

通常、採用の場では会社も候補者側も基本的には良い面を見せようとする場合が多いと思うんですが、ソナスの場合はさまざまな課題を隠さず話してくれて、またそれを解決するための人材として期待してくれているというのを感じ取ることができました。

僕自身としては、この規模の会社なら当然そういった様々な課題があるのは承知していたし、そうした課題の存在に気づいてもいないとか、気づいていても先送りして対処しようとしていない会社があるのも知っていたので、きちんと課題を捉えた上で対応する人材を採用しようとしていることにポジティブな印象を受けました。

最終的には、自分が入ってやるべきことがしっかり見えたこと、やりたいと思っていることとオファーの内容が一致していたことが大きなポイントだったかなと思います。

新しいことをやろうとしたときに「まずやってみよう」という文化がある

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森田の提案で昨年新たに導入されたチームでのタスク管理ツール "clickup"の画面

ー現在の業務内容を教えてください。

一言でいうと、開発の組織作りや開発のプロセス作りです。もう少しかみ砕くと、大きく分けて「プロダクトマネジメント」「プロジェクトマネジメント」「ピープルマネジメント」の3つになると思います。

プロダクトマネジメント」では、ビジネス視点に立って戦略を描くところ、そしてそれを実現するためのロードマップを作る。 「プロジェクトマネジメント」は、描かれたロードマップに従って実際に製品を完成させる。 「ピープルマネジメント」では、その原動力となる人やチーム作りをしています。

これらのどこか一つに軸足を置いているわけではなく、全てにおいてCTOの鈴木と一緒に進めています。

ー一貫して開発側の様々な面でのマネジメントに取り組んでいるのですね。

そうですね。僕が入社した頃は、計画立てて物事を進めるということがあまり体系立てられていない状況でしたので、まず各事業計画から必要な技術を整理し、中長期的な開発スケジュールに落とし込んでいきました。その過程で重視したのは技術視点だけに捉われず、それが完成し製品を利用してくれる顧客がどういう価値を感じてくれるかという価値面です。

その次は、それを滞りなく進めていくプロセスが必要で、そのために必要な考え方やツールを開発チームの中に導入してきました。従来は属人的に仕事を進めるスタイルだったものを、スクラム開発を基本とした、チームとして計画を達成することを重視するスタイルを目指す体制にした点が大きなポイントです。

現在は10名ほどのエンジニア組織なのでセルフマネジメントするスタイルでも仕事は十分回りますが、この先30人50人と組織が大きくなってくると必ず組織化やチームマネジメントが必要とされる場面がやってきます。過去にもその場面で苦労して組織崩壊する様子を見てきた経験もあるので、今の段階から準備しておくのは大事なことだと思っています。

ー入社してから印象に残っていることはありますか?

仕組みづくりやマネジメントという僕の仕事は、周りが協調してくれないと進まないですよね。その点、ソナスの文化として新しい仕組みを取り入れるときに、興味を持ってまずは実践してみようと考える面があり、それがすごくやりやすいですね。一つの手段である仕組みを目的意識を持って使いこなすというところまではまだ浸透していないですが、新しいことをやりやすいのは良い文化だなと感じます。

幅広いレイヤーのエンジニアが揃い、全てを自社開発しているのがソナスの魅力

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春以降は自宅リビングで仕事をするスタイルが定着
ーソナスの開発組織やその特徴について教えていただけますか。

UNISONetというコア技術を基に製品やサービスまで自社開発しているので、それぞれの技術レイヤーに必要なスキルを持ったエンジニアが活躍しています。

大きく分けて、コアとなるUNISONet無線技術開発を担うエンジニア、その技術を使った自社製品の開発を担うエンジニア、そしてクラウドを利用したシステムやサービス開発を担うエンジニアの3つのレイヤーに分けられるかと思います。

このような幅広いエンジニアが揃い、全てを自社開発しているというのはエンジニアから見ると魅力的なところじゃないかなと思いますね。専門領域以外にも知識や経験が身につきます。

例えば、組み込み技術のスペシャリストになるというのも一つのエンジニア像ではあるんですけど、ビジネスに繋げていくためには周辺の技術も知っていなきゃいけないし、逆に自分の専門知識やスキルをチームにインプットもしていかなきゃいけない。自分の勉強にもなるし他のエンジニアに対して自分の知識を共有しながらものづくりに関われるのは良い環境だと思います。

ーそのように幅広いエンジニアが必要な開発内容で、優秀なエンジニアの採用が重要になってくると思います。現在、開発側ではサーバーサイドエンジニアとQAエンジニアを急募していますが、それぞれどんな仕事内容になりますか。

ソナスでは構造物や社会インフラ設備向けの無線振動計測や工場設備の稼働監視などの産業領域でUNISONetを利用したIoTソリューションを提供しています。このような産業領域で扱われるデータの管理・分析・可視化といった機能を提供するサービス基盤を開発していくのがサーバサイドエンジニアです。サービス開発に関わりますので、お客様がデータにどういった価値を求めているかの顧客視点を持っていることが重要です。

一方のQAエンジニアは開発チームの一員として設計段階から品質担保に必要な情報を整理しつつ開発チームの成果物を品質向上に導く仕事になります。現状、品質保証を専任で担うチームは社内にありませんのでそういった組織の立ち上げなども期待している部分です。

ーエンジニアの面接なども担当されていますが、スキル以外の面ではどんな人と働きたいと思いますか?

チームでのものづくりという観点で言うと、純粋に技術を突き詰めていくというのももちろん大事ではあるんですが、やっぱり小さい会社で全て自社内で開発をしているので、自分たちが作るものでお客さんにどういう価値を感じてもらえるかというところを考えてものづくりができる人ですね。そういう感覚や考え方を持っている人が活躍できる場だと思います。技術は手段でしかないので、その手段をどういった目的のために使うのかを考えて、最善な手段を選ぶ術をもっているかというのは、世の中一般的に見ても活躍できる要素だと思います。

ーともすると「いかにすごい技術か」ということにばかり意識がいきがちなハードテック系のスタートアップにおいて「技術は手段でしかない」というのは個人的に新鮮なフレーズでした。

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自宅からほど近い多摩の山にて

ーでは、折角なので最後に森田さんのパーソナルな部分についても少し聞かせてください。コロナの影響で在宅勤務がすっかり定着しましたが、今はどんなスタイルで働いていますか?

僕は通勤時間が長い(※福生市在住)ので、今までは19時に会社を出ても家に着くのは21時過ぎ。ちょっと遅くまでオフィスに残ると22時とか23時に帰宅という感じで、当然夕食の家族団らんには間に合わない生活を送っていました。それが一緒に食事をできるようになったという変化は大きいですね。往復で下手すると4時間ぐらい違いますからね。

コロナが終息しても働き方を選べる制度が整備されたので、今後も在宅でできる範囲は在宅で働けたらと思っています。でも、私の仕事は自分だけの仕事というよりは、みんなで進めていくところも大きいので、集まれる状況になればそういう機会は作っていきたいと思っています。

ーVPoEの業務はひたすらPCに向かう作業が多いと思いますが、疲れたときはどんな方法でリフレッシュしているんですか?

ロードバイクが好きで、自宅からちょっと走れば奥多摩の山があるので自転車でよく走りに行きます。地図を見て行ったことのない峠道があると行ってみたりして、ひーひー言いながら山を登るのが好きですね。

ーそういえば、ソナスでは入社1年目の誕生日にはプレゼントが贈られるのですが、森田さんへのプレゼントはソロキャングッズでしたね。アウトドア派というのは普段のクールなイメージからは意外でした。

               □ □ □

ソナスでは、サーバーサイドエンジニアやQAエンジニアのほかにも各レイヤーのエンジニアや事業開発リーダー候補を募集しています。

まずはカジュアル面談からでも気軽にお話させていただきますので、ご興味のある方は遠慮なくご連絡ください。

第1回ソナスウェビナー開催レポート

こんにちは。猛暑日が続いていますが読者の皆様はお元気でしょうか。

今回は、8月19日に開催しましたソナス初のウェビナーの様子をお届けします。

ウェビナー開催の経緯

ソナスでは、昨年計5回のセミナーをオフラインで実施しました。 内容はUNISONetの技術解説や他のLPWA規格との比較などで、いずれも手応えは上々。 参加いただいた中から案件化した事例も複数ありました。

そんな大切なリードナーチャリングの機会であったセミナーですが、このコロナ禍での開催は当然難しいということで 世の流れに乗ってウェブでのセミナー開催が決定しました。

今回のテーマは「コロナ時代のIoT~無線選択の勘所~」

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開催10日ほど前からHPやSNS、過去に名刺交換させていただいたお客様へのメール配信などで告知を開始すると 想像以上にスムーズに申込をいただきました。

首都圏だけでなく中部地方や関西から申し込んでくださったお客様もいらっしゃり、地理的な制約のないウェビナーのメリットが効いていることが感じられます。

申込者の業種は電機や電力、印刷、大学など様々ですが、事前アンケートの回答を見ると「IoT無線規格について知りたい」という方がほとんどで、今回のテーマ設定はIoTに興味がある方にしっかり刺さったようです。

着々と準備

第1回ということで、講演者であるCEO 大原とウェビナー担当に任命されたDXグループの滝澤(SONAS IoT/DX Labの執筆者)が機材の準備からセッティング、事前のテストまで入念に準備を進めました。

7月から拡張した新フロアの一室がウェブ配信やセミナー開催用の部屋になっており、今回が初使用です。

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今後のために大型モニターも購入。無線の会社なのにケーブルだらけ。

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スイッチャーも購入
いよいよ配信スタート

配信開始10分前に「音声が入っていない!」と慌てる展開もありましたが、無事に解決し予定時刻通りにスタートできました。

今回は、YouTubeLiveのストリーム配信にて実施しました。

同時にslidoというQ&Aセッションのサービスも利用し、講演中に挟まれるミニクイズの回答や質問をリアルタイムで受け付けます。

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始まってみると、普段は人前で話すことに慣れており、いつでも堂々としている(ように見える)我が社長ですが、お客様のお顔が見えず反応を感じ辛いからか、少し緊張した様子。

スタートから30分ほど経つと少しずつ慣れてきて硬さが取れてきたようでした。

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傍らで機材を自在に操る滝澤。

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セミナーは順調に進み、最後のQ&Aではslidoから様々な質問をいただきました。 1つ1つに回答し、ほぼ予定終了時刻ぴったりに終了。

初回の配信とあって、終了の瞬間はほっと安堵して皆の表情が綻びました。

参加者には事後にアンケートを実施しましたが、有難いことに概ね好意的なご意見をいただいています。

ということで、無事に第1回ウェビナーは成功

今後は同様のウェビナーをコンスタントに開催し、IoTやLPWAといった一般的な内容のほか、UNISONetについてや、個別の製品・サービスに纏わる内容まで、その都度興味関心を持っていただけそうなテーマを発見・設定していきたいと思います。

「こんなことが知りたい」というご要望をお持ちの方は、遠慮なくご連絡ください!