Sonas blog

東大発IoTスタートアップ・ソナスのブログです。会社紹介や創業者・社員インタビューなどを通してソナスがどんな会社かをお伝えします。

【CEOインタビュー】多種多様な人が、それぞれの働き方で長く働ける会社を作りたい

こんにちは。ソナスの広報担当 武田です。気づけば年も暮れ。 第1回の会社紹介から1カ月以上経ってしまいました。 「早く第2回を投稿しなければ!」ということで 今回は代表取締役CEO 大原のインタビューをお届けします。

経営者であり、エンジニアであり、よき家庭人でもある大原が、どういったきっかけでソナスを起業し、どんな思いを持って経営しているのかについて深掘りして聞き尽くしました。 ぜひ最後までご覧ください!

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ソナス代表取締役CEO 大原壮太郎:東京大学大学院工学系研究科修了後、ソニー株式会社にて半導体開発に従事。東京大学先端科学技術研究センター勤務を経てソナス株式会社共同創業

現在の事業を興す前から起業を志していた

―今日は大原さんご自身について深く伺っていきたいと思います。まずは子ども時代のお話しから教えてください。小さい頃から経営者になりたいという夢を持っていたと伺いました。

田舎で育ったので偉い人、一目置かれる人といえば医者か弁護士か社長、その次が県庁に勤めてる人という感じだったんですよ。なので小学校の頃は目立ちたいという気持ちから医者とか社長になりたいと言っていましたね。負けん気の強い子どもでした。

―中高大と進学していく間も同じ夢を持ち続けていたんですか?

そんなことはなかったですね。ただ、小学校のときの夢がちょっとずつ形を変えながら、漠然と社会に大きな影響を与えたいと考えるようにはなっていました。

ー具体的に起業を決意したきっかけは何でしたか。

大学院を卒業して就職したソニーでは、はじめはがむしゃらに働いていましたが、片道一時間半の通勤と忙しさで自分の時間や家族との時間が十分に取れず、次第に辞めるか社内異動に手を挙げるかということを考えるようになっていました。そんな時、本当にある日突然、朝起きて「自分でその日何をするかを決めたい」と強く思ったんです。それなら自分で会社を起こそう、と。それがきっかけになりました。

その頃、子どもが生まれたことで保育事業に興味を持つようになっており、当初は保育園向けのICTサービスの展開を考えていました。保育士の資格も取ったんですよ。しかし、準備を進めていくうちに競争環境の厳しさが明らかになり、諦めざるを得ませんでした。

それからは将来的な起業を目指して小規模ベンチャーの面接を受け始めていたんですが、そんなときに(大学の研究室時代の先輩で現CTOの)鈴木と飲みに行ったんです。今でもよく覚えている、長い一日でした。2軒目の店で、鈴木から「今研究している無線技術をお前の会社から世に出さないか」と提案を受けました

軸は「社会にインパクトを残したい」という思い

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創業当初のシェアオフィスで共同創業者の鈴木・神野と。3人とも若いです。

―鈴木さんからの提案に対し、すぐに返事をしたんですか。それとも悩んだ?

即答でした。同時送信フラッディングについては当時はよく知らなかったんですが、自分の研究も学生の研究もあまり褒めることのない彼がこれだけ言ってるんだからすごい技術なんだろうと。

また、「社会に大きなインパクトを残したい」という軸が自分の中にあります。起業自体がその軸上にあったものですが、特に無線通信の領域ならば、自分の専門性も活かせるため、自分にしかなし得ないような大きなインパクトを残せると感じました。

ただ、技術ベンチャーの難しさとして、その技術の確からしさを担保しないといけないという点があります。そこをしっかりやらないと成功確率がすごく下がると思っています。僕らは少なくとも技術の確からしさを担保できるまでは大学でやろうと考えていました。実際に研究室での下積み期間がなかったら、今頃会社はなくなっていたかもしれないと思います。

―そのため1年以上研究室で下積みをしてから、もう一人の共同創業者である神野さんも加わり、2017年4月から事業をスタートしたわけですね。起業してからいちばん辛かったことは何ですか。

技術の確からしさを確認してから大学を飛び出したと言いましたが、いざシステムをずっと動かすとなかなか安定しませんでした。最初についたお客様の案件では、実際に納入すると3カ月おきにシステムが止まるとか、それを直したらその1週間後に別の問題で止まるような状態で。

お客様はよく耐えてくださったなと思いますが、開発できるのが鈴木だけだったので、彼が「俺のせいだ」と感じて精神的にきつそうなのが見ていて分かりました。

一方で僕は資金面をなんとかしなくてはいけないというプレッシャーがあり、そこからは喧嘩の日々が半年くらい続きました。あんなに仲が良かった関係でもお互いに不満が溜まるんですね。いちばん辛い時期でしたが、もし鈴木と2人だったらもっと辛かったと思うので、間に入ってくれた神野にはとても感謝しています

自分も社員も自分の時間を充実させられる会社にしたい

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ソナスの会議室に飾られている、初期メンバーが一人一枚ずつ自分を表すものを写したパネル。趣味の道具などの写真が並ぶ中、大原のパネルは2人のお子さんと撮ったこちら。

ー起業してよかったことは何ですか。

起業のきっかけである「自分のすることを自分で決めたい」というのが実現できていることですね。僕は幼少期に身近な人の生死を考えた経験があり、家庭を大事にしたいという絶対的な気持ちを持っています。なので、会社を経営するようになって家族との時間を持てていること、自分の時間が持てていることは本当に起業してよかったなと思っています。

自分の時間や大切な人との時間を大事にするということに関しては、自分だけではなく社員みんながそうできるようにしたいですね。経営的な観点からは、そういう企業じゃないとこれからの日本で成長していくことができないだろうとも考えています。

短期的に見るとスタートアップでありながら夜中まで働かない、ワークライフバランスを大事にするというのはもしかしたらもったいないことをしているのかもしれないけど、長期的に見れば自分の考えは正しいと思っています。

自分の時間を大切にしたい人を許容できる、逆にバリバリ働きたい人がたくさん働いてその分成果を出すことも許容できる、そしてそのような社員間で「あいつはあまり働かず怠けている」とかその逆の不満が出ない、そういう文化を作っていきたいと思っています。

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―大原さんが考えるソナスの魅力は何ですか。

一点目はやっぱり働き方の部分ですね。残業ありきではないという。その分生産性を上げていかないといけないですが、そこは社員に根付いてきていると思います。

二点目は優秀なエンジニアが揃っていることです。みんな各分野のエキスパートです。スタートアップの初期の段階でこれだけのメンバーを集められたのはレアなケースだと思っています。

最後は、お客様に好かれる点ですね。応援してくれるお客様が多いです。これは、僕と鈴木が創業当初から「誠実に」という価値観でやってきたことが浸透しているからだと思います。「誠実に」というのは、お客様に対してもできないことはできないというし、テクニカルな話し方で大きく見せることはしない、謝るときは謝る、といった人として当たり前のことです。例えば競合との比較にしても、もっと自分たちを大きく見せることもできるとは思いますが、誇張はせずフェアにやってきているつもりです。

―会社の今後の展望についてはどうお考えですか。

長く働ける会社というところをコアバリューの一つにしていきたいと思っています。息の長い会社として継続していくためには誰もが各々の働き方で働ける仕組みが必要だと思っています。最近のスタートアップは福利厚生を採用のツールのように考えている企業も多いと思うんですが、そうではなくて、働き方・福利厚生というのは社員がその制度によって働きやすくなり、結果として成果が上がるという効果のために必要なものだと考え、就業規則や福利厚生などを整備しています。

―最後に、どんな人と働きたいですか。

働き方の部分で文化にマッチする人、あとは前向きな人です。僕らが理詰めで考えて後ろ向きになりがちなときや上手くいかないときに、どうしたら打開できるかの道筋を前向きに話し合える人と働きたいですね。

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いかがでしたか? 「働きやすい会社をつくること」に並々ならぬ思い入れをもった社長故、ソナスは就業規則にも働きやすい制度が盛り込まれています。

このブログでは、福利厚生を含めた働き方に関する制度も紹介していきたいと思っています。

ソナスでは、現在エンジニアや事業開発リーダー候補を募集しています。ご興味のある方はぜひお気軽にご連絡ください。